ぎいも
実妹だと思っていた妹が本当は義妹だったと親から言われた。妹の本当の両親・母親の従姉夫妻は妹が産まれてから直ぐに交通事故で亡くなったため、僕の両親が引き取って育てたらしい。妹が高校を卒業したら本当の事を話すつもりだったらしく、先程その旨を伝えられた。僕も全く知らなかったのでショックだったが、妹本人が一番ショックだったに違いない。
そうしてそんな事があった日の深夜、なんて言っていいか分からなかったけれど、一応兄として言葉を掛けておこうと妹の部屋に行った。そして、血が繋がっていようがいまいが僕たちは兄妹なんだからそんな事は大した事じゃない、とまぁありきたりな言葉しか掛けられず、すると妹が
「ありがとお兄ちゃん。私、別に血が繋がって無いとかはそんなにショックじゃないよ。…まぁ少しはショックだったけど。でもね、それでなんか納得しちゃったっていうか。あぁなるほど、だからかぁって。…私ね、好きなんだ、お兄ちゃんの事。」
妹は弱気になっているみたいで、僕もだよ、と言っておいた。
「ありがと。うん、でも私の"好き"は兄妹愛とか家族愛とかじゃなくて。…異性としてって事。」
僕は面食らって言葉も出なかった。
「あはは…意外だった?えっと、結構好き好きアピールしてたと思うんだけど、昔から。物心ついた時にはそういう自覚しててさ。なぁんで私は実のお兄ちゃんを好きになっちゃったんだろうって、まぁ結構悩んだりもしたよ。」
「多分私がちょっとブラコンなだけなんだろうなって、いつか他に好きな人ができるに違いないって思ってた時もあったよ。…でもお兄ちゃんの事好きなまま大きくなっちゃった(笑)……だから本気で好きなんだと思うんだよね。私、お兄ちゃん意外の人好きになった事無いから、これが恋なのかどうか昨日まで自信なかったんだ。」
「でも今日お父さんとお母さんから、私はお兄ちゃんと血が繋がって無いって言われて全部すっきりした。実の兄妹じゃないから好きになったんだって。ほら、血が繋がってると異性同士でも遺伝子レベルで恋愛感情抱かない様になってるって良く言うじゃん。…私達にはそれが無いからさ。だからね。この気持ちが恋だって確信もできたよ。」
「でもね、やっぱちょっとショックだったんだよね。…おかしいよね、血が繋がって無ければ結婚だって出来るかもしれないし、お兄ちゃんの子供も産むチャンスだってある、願ったり叶ったりなのに。…なのに"血が繋がって無い"って言われて、お兄ちゃんとの絆が無くなっちゃう様な気分になってる。」
「ねぇ…私どうしたら良いのかな…」