8割妄想Blog

このブログの8割は妄想です。過度な期待はしないで下さい。

これはとある自殺した20代前半の女性の兄から寄稿された手紙である。

まず初めにごめんなさい。こんな形でお兄ちゃんに自分の気持ちを伝えてもお兄ちゃんを困らせて傷付けるだけだと分かっています。でもこれしか無かったんです。

私はお兄ちゃんが好きでした。異性としてです。いつから、と言われても物心付いた時からでした。理由は色々あったと思います。家庭環境や私がいじめられていたのをよくお兄ちゃんが助けてくれた、とか。でも理由はどうでもいいんです、私がお兄ちゃんを好きだっていうそれは、その気持ちだけで私にとっては宝物で幸せでした。

私は今嘘をつきました。お兄ちゃんを好きで居られるだけで幸せだった私の心はいつしかそれだけでは満足出来なくなっていきました。ごく初めの頃は、手を繋いで一緒に登校したいとか、放課後帰りに2人でおしゃれな喫茶店に寄ってたわいの無いお話をしたいとか程度でした。そんななかば子供染みたお兄ちゃんとの願望が、お兄ちゃんに恋人が出来た事によって崩れ去りました。まず言っておくとお兄ちゃんは悪く無いです。その恋人さんだって悪く無いです。恋人が出来るなんて事は普通の事で、私が普通じゃ無かったんです、実のお兄ちゃんを好きになるっていう私が。そうして私はお兄ちゃんに対する独占欲に苛まれて行きました。お兄ちゃんが私以外の女の子に私には見せない表情を見せるのかと考えただけで夜も眠れませんでした。そうして1年2年と経つ内に、私はお兄ちゃんを好きなだけで幸せだという気持ちを見失い、お兄ちゃんに対する愛よりも独占欲や嫉妬心だけでお兄ちゃんを見る様になっていきました。そうして今日お兄ちゃんは結婚しました。お兄ちゃんにはバージンロードを歩いてくる私こそを受け止めて欲しかった。ううん、結婚式なんて出来なくてもどうでも良かった。ただ2人だけで居たかった。それが叶わなくなったと完膚なきまでに教えられた私に生きる意味は有りませんでした。私にとって"生きる"とは"お兄ちゃんと一緒に居る"事と同値だったからです。

繰り返します、お兄ちゃんは悪くないです。全て私が悪いんです。こんな汚い気持ちで塗れた私が悪いんです。私は未通のまま死ぬ事になります。でもそれで良かったと思います。お兄ちゃん以外の男性を受け入れる意思は無いし、又お兄ちゃんを受け入れる事が仮にも叶ったとしてそれはお兄ちゃんの人生をも私の異常さに引き込む事になるからです。お兄ちゃんの気持ちは知っていました、私の事は妹としてしか見ていなかったということを。それで普通なんです。それで全く良いんです。

最後に。それでもお兄ちゃん、私の想いを知って欲しかったです。そのためがこんな結果だなんて我ながら最低だと思います。でも好きだったんです。愛していました、お兄ちゃんの事を。私の事は忘れて下さいなんて都合のいい事を言う資格は無いけれど、忘れて下さい。私の事なんて忘れて下さい。お願いします。お願い忘れて。

お兄ちゃん。ごめんなさい。