後輩のスケッチブック
美術部に所属しているんですが、僕含めて実は2人しかいない状態で、もう2年ほど経ちます。僕と後輩の女の子でして、こいつがまあ生意気な所もありつつ唯一の部活仲間なわけです。因みになし崩し的に先輩である僕が部長になりました。後輩はスケッチブックに鉛筆画を描いている事が多いのですが、なにを描いているのか見せてくれません。それでこの前こっそり覗いたら、、、、、
色んな僕が描かれてたわけですね、油絵描いてる僕の後姿とか、美術室のソファで昼休みに爆睡してる僕とか。顔に矢印引っ張ってあって、
"先輩おねんね中だらしない顔(笑)"
とかメモしてあったり。うぇええ!?ってなってたら美術室の建て付けの悪いドアがガランと開いて瞬間後輩と目が合ったわけです。終わった、終わったわと思ったのですが、後輩は意外に普通で、
「どうですか?それ。先輩ですけど。」
っていうもんで、なぁんだ別に変なそういうんじゃないのか、からかいというか悪戯というか生意気な後輩の事だからこりゃ冗談なのかと思って僕は、
「ははは、ストーカーとしては上出来だ。俺ばっか描きやがってwwwきめぇwww」
って言ってしまったんです。そうしたら後輩は何にも言わず無表情のままで、大粒の涙を零して一言、
「ですよね、ごめんなさい先輩。」
って言って出て行ってしまったんです。僕はおいおいマジかよという事になって、明日からの部活が憂鬱で仕方ないのです。